研究テーマ:マウスを用いた新規薬効評価系の構築とその応用 研究分野:薬理学 研究のキーワード:運動パフォーマンス、睡眠、シミ、糖尿病の合併症
研究内容:病気の仕組みの解明や薬効評価のために、様々な疾患モデル動物が開発され利用されてきました。しかし、適当な動物モデルがないために、病態の解明や薬効評価が進んでいない分野も多く存在しています。私たちの研究室では、マウスを用いた新規薬効評価系を構築することにより、病態の解明や薬効評価に取り組んでいます。現在行っている研究テーマは以下の4つです。
- 運動パフォーマンス評価系の構築とその応用
医薬品の治療効果や作用機序についてはよく研究されていますが、それらをドーピング目的で乱用した場合の効果についてはほとんど検証されていません。そこで、強制遊泳装置を用いた新規運動パフォーマンス評価系を構築し、各種ドーピング禁止薬物の効果や作用メカニズムについて調べます。
- 睡眠薬の薬効評価系の構築とその応用
睡眠薬の薬効をイソフルラン麻酔の延長作用で評価する簡易な実験系を構築し(Marui H et al. J Pharnacol Sci. 2020.)、3回生の薬理実験でも活用しています。この薬効評価系を用いて、明暗サイクルが睡眠薬の効果に影響を及ぼすことを明らかにしました。(Sugano A et al. J Pharmacol Sci. 2021.)。現在、同様の薬効評価を様々な系統のマウスを用いて行うことで、覚醒や睡眠の制御について調べています。
- シミ形成モデルの構築とその応用
年齢を重ねるごとに、黒く浮き上がってくるシミは、美容上の関心事の一つですが、シミを形成する動物モデルはほとんどありません。そこで、メラニンを含有するヘアレスマウスに紫外線(UVB)を繰り返し照射することで、シミが形成されるモデルを構築し、病態の解明や薬効評価に取り組んでいます。
- 糖尿病による炎症増悪モデルの構築とその応用
糖尿病では、傷が治りにくいことが知られていますが、治癒の過程は炎症期・増殖期・成熟期からなるため、それぞれの期における障害は明確ではありません。そこで、炎症期における障害について検討する目的で、糖尿病による炎症増悪モデルを構築しました(Iba Y et al. Int Immunopharmacol. 2013)。現在、このモデルを用いて、糖尿病による炎症増悪を抑制する薬物の探索を行っています。
業績
学術論文 |
- Iba Y, Shirai M, Dei C, Hirata T, Harada C, Masukawa T.: Involvement of mast cells in the regulation of matrix metalloproteinase-9 and tissue inhibitor of metalloproteases-1 in 12-O-tetradecanoylphorbolacetate-induced inflammation in mice. Int Immunopharmacol., 7, 597-603 (2007)
- Iba Y, Shibata A, Kato M, Masukawa T.: Possible involvement of mast cells in collagen remodeling in the late phase of cutaneous wound healing in mice. Int Immunopharmacol., 4, 1873-1880 (2004)
- Sugimoto Y, Iba Y, Nakamura Y, Kayasuga R, Kamei C.: Pruritus-associated response mediated by cutaneous histamine H3 receptors. Clin Exp Allergy., 34, 456-459 (2004)
- Sugimoto Y, Iba Y, Kayasuga R, Kirino Y, Nishiga M, Alejandra Hossen M, Okihara K, Sugimoto H, Yamada H, Kamei C.: Inhibitory effects of propolis granular APC on 4-(methylnitrosamino)-1-(3-Pyridyl)-1-butanone-induced lung tumorigenesis in A/J mice. Cancer Lett., 193, 155-159 (2003)
- Iba Y, Sugimoto Y, Kamei C, Masukawa T.: Possible role of mucosal mast cells in the recovery process of colitis induced by dextran sufate sodium in rats. Int Immunopharmacol., 3, 485-491 (2003)
- Kayasuga R, Iba Y, Hossen MA, Watanabe T, Kamei C.: The role of chemical mediators in eoinophil infiltration in allergic rhinitis in mice. Int Immunopharmacol., 3, 469-473 (2003)
- Iba Y, Sugimoto Y, Kamei C.: Participation of mast cells in colitis inflammation induced by dextran sulfate sodium. Methods Find Exp Clin Pharmacol., 24, 15-18 (2002)
- Fujimoto Y, Sakuma S, Iba Y, Sasaki T, Fujita T.: Tetrahydrobiopterin attenuates modulation of platelet 12-lipoxygenase and cyclooxygenase activities by nitric oxide. Nitric Oxide., 5, 77-81 (2001)
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総説 |
- 居場嘉教 、益川徹:糖尿病性腎症におけるMCP-1の関与‐創薬標的としての可能性、日薬理誌、134巻、51頁、(2009年7月)
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著書 |
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海外および国際学会発表 |
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国内学会発表 |
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研究費の受け入れ状況 |
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