教員養成の理念(目標・計画)
本学の教員養成の理念は、憲法および教育基本法をふまえ、教育への情熱と使命感、生徒の成長・発達についての科学的な認識に基づいて、日々、創意と工夫に充ちた実践的指導に努める教師、人間としてよりよき方向を生徒とともに探求する努力を惜しまない教員の養成である。
この理念は、「世のため、人のため、地域のために理論に裏付けられた実践的技術をもち、現場で活躍できる専門職業人を育成する」という建学の精神ならびに「人間力と実践的能力をもち、多様な人々と協働して社会に貢献できる人材を育成する」という教育理念に基づくものである。
上記目標を達成するため、教職課程においては1年次から4年次まで、「教科及び教科の指導法に関する科目」および「教育の基礎的理解に関する科目等」に加え、「教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目」について、各学部・学科等の教育課程に柔軟に対応するためバランスよく配置している。
さらに「教育の基礎的理解に関する科目等」においては、以下のことに留意したカリキュラム編成を行い、指導している。
(ア)多様な人と円滑にコミュニケーションする力を養うとともに、自身の専門教科以外の教科についての知識を身に付けるため、1年次より各学部・学科等にわたる横断的なクラス編成を行うとともに、このようなクラス編成を学年進行と共に増やしている。
(イ)「大学が独自に設定する科目」として、2年次以降を対象として「地域連携教育活動Ⅰ・Ⅱ」を開講している。本科目は、地域の実情を知り、地域の学校を知ること、実際の学校と児童・生徒を理解することを目的として、大学近隣の小中学校の協力の下、年間を通じて学校に出向いて活動するものであり、低年次から教育への理解を深め、教職に対する意欲をさらに喚起するために資するものである。同時に、学生以外の様々な人とコミュニケーションを図る貴重な機会と捉え開講している。
(ウ)「教職実践演習(中・高)」においては、教育実習Ⅱ・Ⅲでの経験を踏まえ、これまで学んできた「教科及び教科の指導法に関する科目」および「教育の基礎的理解に関する科目等」の知見を更に深めることができる内容で構成している。また、学校や児童・生徒、そこにおける教育の多様性を知るため、中学校見学を複数回取り入れるなど、現職の先生方からご講話いただく時間を設けている。
(エ)各科目内や教職課程の行事など、折に触れ、現職の先生方や教育委員会の方をお招きし、ご指導いただくようにしている。
(オ)各科目においては、授業形態にかかわらず、グループワークやディスカッション、プレゼンテーション、コメントペーパー等を用い、即時のものも含めてアウトプットの機会を設けるようにしている。また、そうしたアウトプットに対しては、その方法に応じたフィードバックを行っている。
理工学部
理工学部 生命科学科 (取得可能免許種:中学校・高等学校/理科)
生命科学科は、バイオに関する高度な知識と技術を持ち、生命機構の真理の追究により、人が健康で安全な生活を営むための医療や食品、環境に関する分野で活躍する基礎研究者及び研究開発従事者を養成することを方針としている。これは本学の、「世のため、人のため、地域のために『理論に裏付けられた実践的技術をもち、現場で活躍できる専門職業人を育成』する」という建学の精神、ならびに「人間力と実践的能力をもち、多様な人々と協働して社会に貢献できる人材を育成する」という教育理念に基づいている。
未開発の治療薬の開発や未知の感染症への対策あるいは食生活や地球環境の悪化から人の生活を防御することに興味を持ち、的確な視点から自由な発想を展開できる生徒を中学校、高校においても育てていくことは、現在、教育の現場で教員に強く求められている課題である。本学科では、低年次において自然科学の基礎知識を修得させ、さらに実践的な専門領域においては生命の神秘さを科学的に深く解き明かしながら自然科学の知識と技術を修得させる。この様な教育カリキュラムを通して、児童・生徒に理科のおもしろさと不思議さを気付かせること、自然現象に対する関心を引き出すことが出来る指導力のある教員を育成する。
生命科学科では、上記の教育理念・方針および教員育成目標・計画を基盤として『教育スペシャリストコース』を設置しており、理科教育に必要な専門的知識と技術を身につけるため、通常の科目以外に専門科目の教育スペシャリストコア群として「理科教育法Ⅰ」「理科教育法Ⅱ」「理科教育法Ⅲ」「理科教育法Ⅳ」「生命科学理科教育演習」の5科目を配置する。「理科教育法Ⅰ~Ⅳ」は教職課程の必修科目であり、理科教育の内容・指導法に関する基本事項、学習指導要領に則った教育課程の編成や授業設計、教育実習で通用する授業実践力など多岐にわたり修得する。理科の授業設計とそれに基づく模擬授業を実施し、アクティブラーニングの手法を用いて指導方法などを改善する。
生命科学科には様々な演習・実習科目が存在し、グループワークやプレゼンテーションを数多く取り入れており、多様な人とのコミュニケーション能力を養うことができる。加えて「生命科学理科教育演習」では、生命科学科卒業生の現役教師や専門機関の教育関係者などを講師に迎えて、どのように理科の面白さを生徒に伝えているのかを学ぶ。さらに、知識だけではなく、自然科学の基本である観察を通じた自然現象の体験に基づく「気づき」を導く実験教材の開発を行うなど、次世代の理科教育に必要な実践力を身につける『教育スペシャリストコース』独自の演習を実施する。
このように、本学科では、生命科学分野を主軸として、次世代を担う中学・高校生へ自然科学や理科の内容を、観察や実験を通じて伝える能力を修得するとともに、科学教育の研究分野で活躍するための基礎力も身についた高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
理工学部 住環境デザイン学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/数学 高等学校/工業)
少子高齢化時代を迎えた今日、子供を育てる環境や高齢者を介護する環境は従来までの住環境ではさまざまな支障や困難が生じ、保健・福祉などの幅広い視点を加え新たな生活スタイルのあり方を提案し、すべての人に快適な社会づくりを推し進めることが求められている。また、地球環境問題も早急な対応が求められる中、持続可能な発展のためには、環境に配慮した循環型社会への転換、すなわち、これまでの生活スタイルの見直しが求められている。
本学科では、上記の生活環境を取り巻く諸問題について、人の環境に必要な多様なデザイン感性と実践的技術を基礎から応用まで学習することで、プランナー、デザイナー、エンジニアを養成することを教育研究上の目的としているが、社会への貢献を目指す意味でも、将来の技術者を育てる工業教育を担うことができる教員養成及び工業教育の基礎となる数学教育を担当できる教員について、以下の点に重点をおきながら、本学科の教育の特徴を活かし、社会や人間に強い興味を持ち、創造性豊かで、問題発見・解決能力のある実践的指導力に優れた教職人材の育成を目標とする。
(1)倫理観をもって、住環境に存在する様々な問題点を的確に捉え、改善・創造することができる教員を育成する。
(2)住環境における光・音・熱・空気環境が人にどのように影響を与えているかを把握したうえで、低資源・低エネルギーで可能にする快適な生活環境を模索する教員を育成する。
(3)無機質になりがちな住環境を社会で傷ついた心身を再生する空間とするために、インテリアをはじめとする様々な住環境と調和したツールを用いた癒し空間を志向する教員を育成する。
上記資質をもつ教員を養成するため、本学科では1~3年次に少人数教育によるゼミA、B、C、スタジオ、設計演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲなどの設計系演習及び4年次に卒業研究を配置し、チームティーチングを体験させながらより実践的課題に対応させることで、問題発見・課題解決能力及び指導力を身につけてもらうことを目指している。
また、4年次に技術者倫理を科目配置するとともに、住環境デザインに係る専門科目において、プロダクトデザイン、環境工学、建築計画、都市・地域計画などの各分野で必要とされる倫理事項を主体とする倫理教育を適宜実施することで、倫理観を身につけてもらう。
さらに本学科における2つの教育上の主柱である環境デザイン系科目(住環境工学A・B、住環境設備、環境設備計画A・B、環境工学演習)と空間デザイン系科目(住生活学、インテリアデザイン論、建築計画学、プロダクトデザイン論、地域・都市計画学、設計演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、インテリアデザイン演習、プロダクトデザイン演習)について、講義と演習が各年次内で連動して受講できるように配置、かつ環境デザインと空間デザインを密接に関連付けて学習するために、各講義・演習内で2つの分野の関係性を意識させるプログラムを作成している。これにより、住環境デザインで必要となる多角的な視点・姿勢を持ち、それを教授できる人材を育成する。
理工学部 建築学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/数学 高等学校/工業)
VUCAの時代において、地球環境を含めた広範な人間の生活環境に対する的確な問題意識を持ち、生活基盤となる建築・都市空間の安全性、機能性、審美性の追究と、社会や環境への適切な配慮のできる包括的な知識と技能を修得し、さらには倫理観を持った建築設計および建築生産などにかかわる技術者の育成を目指す。
こうした教育方針を基盤として、大学の教員養成に対する理念に基づき、本学科の教育の特長を活かし、主に以下の点に重点をおきながら、課題を発見して解決する能力のある指導力に優れた教員育成を図る。
(1)建築設計および建築生産などにかかわる将来の技術者を育てる工業教育、および、その基礎となる数学教育を担うことができる教員を育成する。
(2)社会環境や社会情勢が認識でき、生徒目線で指導ができる人間性に優れた教員を育成する。
(3)課題を発見して解決する能力のある指導力に優れた教員を育成する。
上記の資質をもつ教員を養成するため、同学科においては、理工学部共通の教養科目に加え、2 年次から3 つのコースに分かれ、各コースが重視する専門教育を行えるように専門科目を配置している。専門教育はコアとなる科目を「共通系」「計画・環境系」「構造・生産系」に細分し、系統的に履修させる教育課程に編成している。これらのカリキュラムのもと、自然、社会に対する幅広い視野と教養を身につけ、技術が人間社会や自然に与える影響、および建築・都市工学技術者の果たすべき役割について理解し、幅広い知識を身につける。また、教員としてのコミュニケーション能力を有し、専門技術者の育成に必要とされる、意匠・構造・設備の全般的知識・技術を修得し、良質な建築・都市空間の提案ができ、構造設計能力を身につけ、施工生産過程を理解した能力を身につける。
さらに、各科目においてはグループワークやプレゼンテーションを適宜取り入れ、1年次から一貫性のある少人数教育、設計演習や実験等の実践的教育による知識の応用・高度な技術の修得においては、学生の能動的な学習意欲を生み出すアクティブ・ラーニング型式の授業を通じて、課題を発見して解決する能力を高める。
理工学部 機械工学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/数学 高等学校/工業)
機械工学科は本学の教育理念に基づき、「将来の持続可能な社会の実現に向けて、資源・エネルギー・環境保全を意識し、少子高齢化などの社会環境の変化やグローバル経済における過酷な競争にも対応できる機械技術者を養成する」ことを教育研究上の目的としている。これと併せて将来の技術者を育てる工業教育を担当できる教員の養成、ならびに、工業教育の基礎となる数学教育を担当できる教員の養成をめざす。こうした教育方針を基盤として、主として以下の点に重点を置き、工学教育の基盤となる数学教育を担当できる教員の養成、ならびに工業教育を担うことができる教員養成を目指す。
(ア)専門知識の理解をふかめるための工学に共通する基礎的な考え方を持ちそれらを応用できる能力を身につけるため、「微積分Ⅰ」「線形代数Ⅰ」などの科目を配置する。
(イ)エネルギー・環境問題などの人類、社会の抱えている問題を理解するため、教養科目や「エネルギー変換工学」などの科目を配置する。
(ウ)チームにおいて、それぞれの役割を担い、チームの目標を達成するため働くことができる能力を身につけるため、「機械創成基礎演習Ⅰ」「機械創成基礎演習Ⅱ」「機械創成応用演習」などの科目を配置する。
(エ)目的を達成するために、粘り強く、自律的に学習できるとともに倫理的な判断・行動ができる能力を身につけるため、「技術者倫理」などの科目を配置する。
(オ)情報技術に関する知識を持っており、それを機械システムの問題解決に応用できる能力を身につけるため、「プログラミングベーシック」「プログラミングアドバンス」などの科目を配置する。
(カ)言語と図表などを用いて確かなコミュニケーションができる能力を身につけるため、「日本語読解」「日本語表現Ⅰ」「基礎英語Ⅰ」「基礎英語Ⅱ」「英語基礎会話Ⅰ」「英語基礎会話Ⅱ」「機械創成基礎演習Ⅰ」「機械創成基礎演習Ⅱ」「機械創成応用演習」などの科目を配置する。
(キ)機械工学の基礎に関する知識を持ち、それらを工学的問題の解決に応用できる能力を身につけるため、専門科目(専門コア群)などの科目を配置する。
(ク)工作機械を使っての機械加工ができる能力を身につけるため、「基礎機械工作実習」「応用機械工作実習」を配置する。
(ケ)各種物理量や工業量を計測できる能力を身につけるため、「理工学基礎実験」「機械工学実験」などの科目を配置する。
(コ)製図法を理解し、物体を図面に表すことができる能力を身につけるため、「機械製図Ⅰ」、「機械製図Ⅱ」を配置する。
(サ)機能、強度、性能などを考慮して機械要素または機械システムをデザインすることができる能力を身につけるため、「基礎機械設計」「応用機械設計」「機械創成応用演習」を配置する。
(シ)シミュレーションを含む実験を計画ならびに遂行し、得られたデータを解釈することができる能力を身に着けるため、「機械創成応用演習」を配置する。
理工学部 電気電子工学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/数学 高等学校/工業)
電気電子工学科は本学の教育理念に基づき、「社会を支える電気・情報・電子・通信工学の幅広い知識や技術について、電気工学・情報工学を中心に修得し、製品やシステム開発および設計施工などの現場において課題を発見して解決できる実践的な電気系・情報系技術者を養成する」ことを教育研究上の目的としている。これと併せて社会に貢献するためにも、将来の技術者を育てる工業教育を担当できる教員の養成、ならびに、工業教育の基礎となる数学教育を担当できる教員の養成をめざす。
こうした教育方針を基盤として、同学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点を置きながら、工業教育を担うことができる教員養成を重要視するとともに、工業教育の基礎となる数学教育を担当できる教員の養成も目指す。
(ア)科学技術や文化・思想などの幅広い教養を身につけるため、「理工学基礎実験」や「科学技術教養」、「産業技術史」などの教養科目を配置している。
(イ)倫理観・責任感を養うため、「技術者倫理」および「技術者への道」、「電波法規」、「電気法規及び施設管理」を配置している。
(ウ)数学、物理学、情報処理技術に関する知識を身につけるとともに工業教育や数学教育のための高度な資質を涵養するために「微積分Ⅰ」、「線形代数Ⅰ」、「物理学Ⅰ」、「統計情報処理」、「Cプログラミング」などの科目を配置する。
(エ)工学教育に必要な各種の実験を計画・遂行することができ、実測したデータを解析・説明することができる能力を身につけるため、「電気情報基礎実験」、「電気系実験Ⅰ」、「情報系実験Ⅰ」、「電気系実験Ⅱ」、「情報系実験Ⅱ」を配置している。
(オ)工学教育に必要な専門知識を身につけるため、電気、情報、電子、通信工学の幅広い専門知識修得に関する専門科目(専門コア群)を配置している。
(カ)問題点の発見や制約条件下で課題解決できる能力を身につけるため、「電気情報創成演習」、「卒業研究」を配置している。
(キ)論理的な記述・対話・発表ができ、基礎英語や技術英語ができる能力を身につけるため、「電気情報創成演習」、「電気系実験Ⅱ」、「情報系実験Ⅱ」、および「基礎英語(Ⅰa、Ⅰb、Ⅱa、Ⅱb)」、「実践英語(Ⅰa、Ⅰb、Ⅱa、Ⅱb)」などの科目を配置している。
(ク)自主的な学修習慣を身につけ、資格取得などのキャリア形成を継続的に行うことができる能力を身につけるため、「電気工学演習」、「情報工学演習」などの演習系科目、教養科目の「インターンシップ」などを配置している。
(ケ)与えられた制約下で仕事を計画的に進め、まとめることができる能力を身につけるため、「電気情報創成演習」、「電気系実験Ⅰ」、「情報系実験Ⅰ」、「電気系実験Ⅱ」、「情報系実験Ⅱ」を配置している。
(コ)チームの目標を達成するために協力して働くことができる能力を身につけるため、「電気情報創成演習」、「電気系実験Ⅱ」、「情報系実験Ⅱ」を配置している。
理工学部 都市環境工学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/数学 高等学校/工業)
現在の都市には、少子高齢化、過密化などの社会環境の大きな変化が進展し、これらの要因が災害に対する脆弱性を増大させている。また、森林、耕地の減少やエネルギーの大量消費などが原因となって環境破壊が進行し、地球規模の気象変動が起こるなど人間社会の存続に懸念が生じている。このような状況を克服し、社会状況や環境との調和を図り、持続可能な発展が可能となる社会基盤を構築することが喫緊の課題となっている。さらに、社会基盤整備事業の入札に関する問題や、過度の価格競争に根ざす社会資本の品質低下の問題などが表面化し、倫理観を持ち合わせた人材が求められている。これら社会的な要請に応えるため、都市環境工学科では、複雑化・高機能化した都市環境を建設・維持管理・リニューアルするハード面の技術と環境に配慮した都市計画を立案するソフト面の技術を修得し、実践的な技術を身につけた即戦力として活躍できる人材の育成を目指している。
こうした教育方針を基盤として、同学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点を置きながら、工業教育を担うことができる教員養成を重要視するとともに、工業教育の基礎となる数学教育を担当できる教員の養成も目指す。
(ア)人間性豊かな社会人・教員として必要な人文社会系の基礎知識を身につけるために人文科学系や社会科学系の教養科目を配置するとともに、科学技術の幅広い分野に関する基礎知識を身につけるため、自然・科学技術系の教養科目を配置している。
(イ)規範やマナーを遵守し、倫理観に従った技術者としての素養を身につけるため、倫理法規系「技術者倫理」などの科目を配置している。
(ウ)数学、科学、情報処理の基礎知識を有し、課題に対して定量的に解を求める等の基礎能力を身につけるとともに工業教育や数学教育のための高度な資質を涵養するために専門基礎群の数学系、科学系や情報系などの科目を配置している。
(エ)地球環境や地域環境の保全に関し、社会や時代の要請に応えられる知識と環境意識を養うため、環境計画系の「地球環境学」や「自然・都市環境論」を配置している。
(オ)工学教育に必要な測量および計測・計量の基礎能力を身につけるため、測量・実験系の「測量学Ⅰ」、「建設工学実験」などの科目を配置している。
(カ)工学教育に必要な専門知識を身につけるため、建設系の「構造力学基礎・演習」、「地盤力学Ⅰ・演習」、「水理学Ⅰ・演習」、環境系の「環境衛生工学Ⅰ」、「計画システム」、「都市計画学」、専門応用系の「コンクリート構造学」、「流域・沿岸域工学」、「空間情報学・演習」などの専門科目を配置している。
(キ)コミュニケーションやプレゼンテーション等の対人能力を身につけるため、ゼミ系「都市環境基礎ゼミⅡ」や「卒業研究」などの科目を配置している。また、英語の基礎読解力や英語によるコミュニケーションの基礎力を身につけるため、教養科目の英語系科目を配置している。
(ク)自主的に情報収集を行い、自ら学習習慣を身につけるとともに、自ら課題を発見し、計画的に解を見つける能力を身につけるため、ゼミ系科目の「都市環境基礎ゼミⅠ」、「「都市環境基礎ゼミⅡ」、「卒業研究」などの科目を配置している。これらの科目ではチームワークを発揮して解を見つける能力も涵養する。
国際学部
国際学部 国際学科 (取得可能免許種:中学校・高等学校/英語)
国際化・高度情報化社会において必要とされるのが、世界共通語としての英語コミュニケーション能力の修得、グローバル化する社会の中で、自ら課題を発見し、その解決に向けて必要な方法を提案できる力を修得し、また、様々な課題の発見・解決において、新しい発想を生み出す柔軟な思考力・判断力の修得である。
こうした教育方針をベースに、同学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)教育者としての使命感をもち、日々工夫し研鑽する態度を持ち続け、人間的に尊敬される教員を育成するため、「教育の基礎的理解に関する科目」や「教科及び教科の指導法に関する科目」を通して、教職に関する理解を深める。また、教師の役割や求められる資質能力等については、講義を中心にテキスト・資料の事前学習に基づくグループワークによって、基礎的な資質能力を修得する。さらに学習の質を高めるために、教師が学習者を理解し、さまざまな形での支援方法に関して、講義やグループディスカッション等を通じて実践的に学ぶ。このほか、幼児、児童および生徒の心身の発達および学習の過程や意欲、学校における人間関係、個に応じた教育について学ぶ。学習活動と関係の深い人間の認知活動についても理解する。
(イ)高度で実践的な言語運用能力とともに、言語の背景にある文化や社会についても深い知識をもち、異文化を尊重する態度を指導できる教員を育成するため、「教科及び教科の指導法に関する科目」を通して、英語によるコミュニケーションに必要な知識とスキルを理解する。英語による活動を多く体験しながら、文化的背景の異なる相手に対して、相手を尊重しながら英語で意思疎通を図る能力を身につける。このほか、さまざまな英語圏諸国の歴史や文化を学び、その知見に基づいて日本と英語圏諸国のさまざまな文化的交流のあり方について考える。また、現代のグローバル環境における人種、民族問題、さらにはメディアを通じた異文化理解の問題について、基礎的な知識、理解、当事者意識を身につける。
(ウ)語学教育に関する専門的な知識と技術をもち、教育の現場で信頼される人材を育成するため、「教科及び教科の指導法に関する科目」や「大学が独自に設定する科目」を通して、中学校や高等学校の英語教員を目指す上で修得すべき英語科教育の知識や技術について、理論的側面と実践的側面から学ぶ。また、新たな英語教育方法に向けて、最新の教材やICTの活用方法を学び、生徒の特性や習熟度に応じた指導に活用する。さらに、実際の教育現場である大学近隣の中学校あるいは高等学校において、年間を通じて授業補助、学習支援、学校行事、課外活動等を幅広く体験し、自己の適性を把握する機会をもち、人間的成長や社会意識の向上、ならびに教員としての資質能力や使命感を高める。
経営学部
経営学部 経営学科 (取得可能免許種:高等学校/商業・情報)
組織経営、経営情報、マーケティング、会計・ファイナンスに関する基礎的な理論と知識を身につけるとともに、関連分野における新しい価値創造に必要な知識と技術をわかりやすく生徒に理解させるために必要な技能を身につける。その目的を達成するために、座学のみならず実習・演習教育にも力を入れ、多様な人々と円滑なコミュニケーションを図る能力を養うとともに、多角的な観点から思考し判断して問題解決できる能力の育成を図る。
こうした教育方針を基盤として、同学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)社会科学としての経営諸分野の基礎をなす幅広い知識・技術を身につけた総合力のある教員を育成する。
(イ)組織経営、経営情報、マーケティング、会計・ファイナンスに関連する諸課題の解決に貢献し、豊かな創造力と強い指導力を有した教員を育成する。
(ウ)人権を尊重し、教育者としてふさわしい人間力のある人材を育成する。
上記資質をもつ教員を養成するため、同学科においては1年次から4年次まで、組織経営、経営情報、マーケティング、会計・ファイナンスに関連した、専門基礎科目、コース専門科目、応用・実践科目をバランス良く配置している。
まず、経営学の知識・技術を身につけるため、1年次に「経営学入門」、「ビジネス情報処理Ⅰ・Ⅱ」、「簿記入門」を必修科目として設定している。「経営学入門」では、経営学各分野の基本的な知識および、企業の活動を分析する能力を養っている。「ビジネス情報処理Ⅰ・Ⅱ」は、コンピュータを目的に応じて利用できるようになるための基礎的な知識と技術を修得できる内容として構成している。コンピュータおよびネットワークを使った演習を多く取り入れることで、ビジネスの場面で用いられる情報処理に関する実践力を身につけさせることを目指している。「簿記入門」では、企業などの組織における経済活動を金の動きで捉える手法である簿記についての基礎的能力の修得を目指している。
2年次、3年次に開講している各専門科目においては、学生の興味・関心に応じた4コースからのコース選択により、組織経営、経営情報、マーケティング、会計・ファイナンスに関連する専門的知識を学び、企業や自治体などの組織が抱える複雑な課題を解決するための創造力と実践力を身につけさせている。経営学についての幅広い知識を修得するため、自身の選択したコース以外のコース専門科目も履修するように設定している。
また、1年次に「基礎演習」、「専門基礎演習」、2年次に「専門演習Ⅰ」、3年次に「専門演習Ⅱ」のゼミを開講し、担当教員の専門性を活かしたグループワークやディスカッションなどの活動を通して、円滑なコミュニケーション力を養うとともに、人間力の醸成を図っている。そして、学びの集大成として、4年次に履修する「卒業研究」で卒業論文をまとめさせる。各科目において、グループワークやプレゼンテーションを適宜取り入れることで、多様な人とのコミュニケーション能力を養うとともに、ミニッツペーパー等による、授業の理解度・評価等の確認を行っている。また、学生からの質問・意見などにコメントをつけて返却をすることで、双方向型のコミュニケーションツールとしても活用している。
法学部
法学部 法律学科 (取得可能免許種:中学校/社会 高等学校/公民)
法学部 法律学科(以下、単に「本学部」という。)は、教育研究上の目的として、「幅広い教養と法学・政治学・法政策学に関わる専門的知識に裏打ちされ、論理的に問題解決ができる能力を有し、主体的に社会貢献をなしうる人間力を持った人材を養成する」ことを掲げている。
こうした基本的な教育・研究上の目的を起点として、本学部では、大学の教員養成に対する理念に基づき、主として次の観点から、高度な資質を持つ教員の養成を目指す。
(ア)人権保障、平等・正義に深く通じ、国内法から国際法までの基礎的な法的知識を幅広く身に着け、公正な判断ができる能力を有する教員を養成する。
(イ)国内外の政治・社会の問題広く関心を持ち、これをより良く解決するための政策的な思考を身につけ、専門性を生かして現実社会の課題解決に貢献できる教員を養成する。
(ウ)主体性を持ち、かつ、他者と協力しながら、困難な課題に粘り強く取り組み、これを解決できる、総合的な人間力を有する教員を養成する。
本学部においては、上記の資質を持つ教員を、とりわけ法学に重点を置きつつ、政治学、法政策学にいたるまで、基礎・応用の科目をバランスよく配置したカリキュラムによって、養成することを計画している。
まず、1年次には必修科目として「法学概論Ⅰ・Ⅱ」を置く。この科目において学生は、実定法(公法、民事法、刑事法など)から法哲学に至るまで、法学全体の概要、および基本的な考え方を広く習得する。また、「リーガル・リサーチ」を置き、学生は法学において必要な文献調査能力・情報処理能力を身につける。さらに、「憲法Ⅰ・Ⅱ」、「民法ⅠA・B」および「国際法Ⅰ」などを配置し、国内外の公法・民事法の基礎を習得する。加えて、「政治学概論」等、政治学の基礎的な知識・思考方法を獲得する。
2年次以降は、学生の興味・関心に応じて、六法を中心に体系的に法律を学ぶ「法律学特修コース」、企業での職業生活や消費生活と法との結びつきに重点を置く「企業法務コース」、地域に貢献する政策のあり方を実践的に学ぶ「地域政策コース」、そして、スポーツ法政策を実践的に学ぶ「スポーツ法政策コース」の4つのコースに分かれ、それぞれの特色に応じて政治・社会の課題を解決する専門的な知識・能力を習得する。また、コース選択により履修できる科目が極端に限定されてないよう配慮しており、学生は自らの関心を広げることが可能である。
加えて、1年次から「法学基礎演習Ⅰ・Ⅱ」を設け、2年次の前期には「プレ専門演習」を置いて学生のためにゼミ選択の機会を確保した上で、2年次後期に「専門演習Ⅰ」、3年次に「専門演習Ⅱ」とゼミを開講している。学生は、それぞれの担当教員の指導の下で、より高度な専門的・先端的なテーマについて、問題の発見からその解決までをグループワーク、ディスカッション等を通じて達成する。そして、4年次の「卒業研究」で卒業論文をまとめ、報告する。これにより学生は、必要な専門性と論理的思考力だけでなく、協調性やコミュニケーション能力、さらには研究を最後までやりきる能力、総じて人間力を醸成する。
経済学部
経済学部 経済学科 (取得可能免許種:中学校/社会 高等学校/公民)
経済学部は、経済学を基礎として幅広い見識と豊かな人間性を有し、現代の経済社会の諸問題について自ら発見し、多様な人々と協働して取り組むことのできる人材を育成することを目的としている。教員養成においても、大学の教育の理念および教員養成の目標・計画のもと、経済学を基礎として幅広い見識と豊かな人間性を有し、現代の経済社会の諸問題について自ら発見し、多様な人々と協働して取り組むことのできる人材を育成することのできる教員の養成を目標としている。そのため、経済学部の専門教育では、以下のような特徴をもった教育を計画的に行っている。
(ア)現代の経済社会において重要な諸課題を有する国際経済、地域経済、観光経済に着目し、学生はこれらのいずれか一つを専門とする3コース制を敷いている。そして、1~2年生に経済学の基礎を修得するために、ミクロ経済学、マクロ経済学、統計学といった経済学の基礎科目を必修とするとともに、国際経済、地域経済、観光経済の入門科目も必修としている。そのうえで2~4年生には学生の選択したコースおよび研究対象に応じて、各コースの授業科目や幅広いアドバンスト科目からなる専門科目を履修する。これにより、経済学を基礎として幅広い見識を有し、現代社会の諸問題を自ら発見することのできる礎を築くとともに、それらの問題の解決に取り組むための経済学の専門性を高めることを目指している。
(イ)経済学部では、1~4年生の4年間を通じて少人数の演習科目を設けており、指導教員が専門科目の指導にとどまらない学習や生活の指導をしている。1年生は機械的に振り分けられるクラス(基礎ゼミ)であるが、2~4年生の3年間は継続して一つの専門ゼミに所属し、教員の指導を受ける。経済学部ではフィールドワークを積極的に取り入れた実践的な教育を重視しているのが特徴である。2~4年生の専門ゼミで学外でのフィールドワークを行うことを奨励しているのに加え、各コースに実践演習科目を設け、特定のテーマについてゼミ横断的なプロジェクトベースの教育も行っている。また、これらの授業ではグループワークやプレゼンテーション、ディスカッション中心の授業を行い、研究成果をもって共同研究報告会、実践演習報告会、卒業研究報告会に参加する。これらにより、現代の経済社会の諸問題を自ら発見すること、および諸問題に多様な人々と協働して取り組むことができること、また豊かな人間性を育むことができることを目指している。
(ウ)大学で開講する教職課程の諸科目に加え、経済学部では中学校の社会科、高等学校の公民科の教職に必要な専門的事項に関する科目を幅広く開講している。中学校の社会科免許のために、「社会学、経済学」に関する科目群に加え、「日本史、外国史」、「地理学」、「法律学、政治学」「哲学、倫理学、宗教学」に関する諸科目を、また高等学校の公民科免許のために、「社会学、経済学(国際経済を含む)」に関する科目に加え、「法律学(国際法を含む)、政治学(国際政治を含む)」、「哲学、倫理学、宗教学、心理学」に関する科目群を開講している。さらに各教科の指導法に関する科目として「社会科教育法」を、中学校の地歴分野、公民分野、高等学校の公民分野に対応するように開講している。これらを通じて、教科教育に必要な幅広い見識と豊かな人間性を有し、専門的な知識を修得できることを目指している。
農学部
農学部 農業生産学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/理科 高等学校/農業)
作物および作物生産環境の科学的解明を通して、環境への負荷が少なく、生産効率の高い農業生産を新技術の開発等により実現・普及させるために必要な知識・技術を身につける。その目的を達成するために、座学、実験のみならず実習・演習教育に力を入れて実践力を養うとともに、深く考察し同時に正しい判断を下して実践する応用能力の醸成を図る。
こうした教育方針をベースに、同学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)農学、生命科学、環境科学などの学問領域を学んだ総合力のある教員を育成する。
(イ)自然環境と作物生産との関連について専門的な知識ならびに体系的な農業技術を身につけ、人類が直面している食料、生命、環境に関わる諸問題の解決に貢献し、豊かな創造力と強い指導力を有した教員を育成する。
(ウ)人権を尊重し、教育者としてふさわしい人間力のある人材を育成する。
上記資質をもつ教員を養成するため、同学科においては1年次から4年次まで、農学部4学科共通の専門基礎を学ぶ専門科目・共通群、専門領域の学びを深める専門コア群(基礎系、農業植物・栽培系、農業生物・環境系、実験・実習系)、さらに他の3学科(応用生物科学系、食品栄養学系、食農ビジネス学系)の領域を学ぶ専門総合群を配置している。
上記(ア)に関して、まず1、2年次に自学科の専門科目を中心に学び専門性を深め、その後3年次より他の3学科の領域を学ぶ専門総合群の授業を履修することで、農学に関する幅広い学問領域について学修し、理科教員および農業科教員としての総合的な能力を養っていく。
上記(イ)に関して、実験・実習系では、1年次に、化学実験・生物学実験の基礎的な実験から始め、2年次に農業生産学基礎実験Ⅰ・Ⅱ、農業生産学実習Ⅰ・Ⅱ、農場実習、3年次に農業生産学専門実験へと専門領域の実験・実習を段階的に進んでいくことで、座学と実験・実習を併行して学びながら専門知識に基づく体系的な栽培技術を習得して理科教員および農業科教員としての資質を身につけていく。また、専門科目・共通群の必修科目「農学基礎演習」では、福井県・三重県の圃場で、実地の水稲栽培において、日本古来の伝統手法と現代的な機械手法による田植え、稲刈り実習を行い、品種、土壌、施肥、病害虫、農薬管理、気象条件などを学ぶとともに、地元農家の方との対話・交流により、理科教員としての生命・生物学的視点を、農業科教員としての作物栽培学的視点を、農業生産の現場での実践を通して養う。
上記(ウ)に関して、「教育の基礎的理解に関する科目」「道徳、総合的な学修の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」「教育実践に関する科目」において、教育者としての資質を養うほか、教養科目の1年次必修科目「生命倫理」では、ヒトだけでなく食やヒトの生活を支えているさまざまな生命、バイオテクノロジーと環境の問題など、「総合科学」の基礎となる幅広い知識の習得に加え、倫理観をもった豊かな人間性を涵養する。さらにはグループワークを通して課題を見出しディスカッションし、ポスター発表によりプレゼンテーションをすることで、初年次より人権尊重に対する意識を高めて教育者としてふさわしい資質を醸成する。
農学部 応用生物科学科(取得可能免許種:中学校・高等学校/理科)
生物・生命の諸現象と、その背後にある原理とメカニズムを、分子から個体、集団、生態系を含む視点で深く学び、さらに、農学や情報科学についても実践的な教育を通じて基礎的な素養を身につける。このようにして身につけた広範な知識を基にして、人類が直面している食料、生命、環境に関わる諸問題を解決する能力の醸成を図る。
こうした教育方針をベースに、同学科では本学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)農学、生命科学、情報科学などの学問領域を学んだ総合力のある教員を育成する。
(イ)ゲノム、遺伝子機能、微生物、植物、動物、水産生物など多様な領域についての専門知識と応用技術を身につけ、人類が直面している食料、生命、環境に関わる諸問題の解決に貢献し、豊かな創造力をもつ教員を育成する。
(ウ)人権を尊重し、教育者としてふさわしい人間力のある人材を育成する。
上記資質をもつ教員を養成するため、同学科においては1年次から4年次まで、農学部4学科共通の専門基礎を学ぶ専門科目・共通群、専門領域の学びを深める専門コア群(基礎系、植物系、微生物系、動物・海洋生物系、実験・実習系)、さらに他の3学科(農業生産学系、食品栄養学系、食農ビジネス学系)の領域を学ぶ専門総合群を配置している。
上記(ア)に関して、まず1、2年次に自学科の専門科目を中心に学び専門性を深め、その後3年次より他の3学科の領域を学ぶ専門総合群の授業を履修することで、農学及び生命科学に関する幅広い学問領域について学修するとともに、生命情報学に関係する専門総合科目を学修することで理科教員としての総合的な能力を養っていく。
上記(イ)に関して、実験・実習系では、1年次に、化学実験・生物学実験の基礎的な実験から始め、2年次に応用生物科学基礎実験Ⅰ・Ⅱ、3年次に応用生物科学専門実験Ⅰ・Ⅱへと専門領域の実験・実習を段階的に進んでいくことで、座学と実験・実習を併行して学びながら専門知識と専門技術をつなぎ、理科教員としての資質を身につけていく。また、専門科目・共通群の必修科目「農学基礎演習」では、福井県・三重県の圃場で、実地の水稲栽培において、日本古来の伝統手法と現代的な機械手法による田植え、稲刈り実習を行い、品種、土壌、施肥、病害虫、農薬管理、気象条件などを学ぶとともに、地元農家の方との対話・交流により、理科教員としての生命・生物学的視点を、農業生産の現場での実践を通して養う。
上記(ウ)に関して、「教育の基礎的理解に関する科目」「道徳、総合的な学修の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」「教育実践に関する科目」において、教育者としての資質を養うほか、教養科目の1年次必修科目「生命倫理」では、ヒトだけでなく食やヒトの生活を支えているさまざまな生命、バイオテクノロジーと環境の問題など、「総合科学」の基礎となる幅広い知識の習得に加え、倫理観をもった豊かな人間性を涵養する。さらにはグループワークを通して課題を見出しディスカッションし、ポスター発表によりプレゼンテーションをすることで、初年次より人権尊重に対する意識を高めて教育者としてふさわしい資質を醸成する。
農学部 食品栄養学科(取得可能免許種:栄養教諭)
農学の学びを基盤として、食のプロセス(農産物の生産から加工、流通、消費まで)を体系的に理解し、食・栄養・健康・医療・食育の専門知識・技能・態度を身に付ける。このようにして身に付けた知識を基本に、地域の健康と心豊かな暮らしの実現に貢献できる能力の醸成を図る。
こうした教育方針をベースに、同学科では本学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、児童生徒の豊かな食生活と健康を創造できる高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)食に関する指導と給食管理を行うための専門的技術や知識を修得した教員を育成する。
(イ)学校において食に関する指導と給食管理を一体のものとして食育を推進し、児童生徒の個別指導、集団的指導、また家庭・地域と連携した食の指導を行うための知識と技術を身につけた教員を育成する。また、食をめぐる社会的状況や食文化の継承等を視野に入れた食育の指導を通して、食品ロスの削減、環境へ配慮した食育、持続可能な社会の実現に貢献する実践的能力をもつ教員を育成する。
(ウ)人権を尊重し、教育者としてふさわしい人間力のある人材を育成する。
上記資質をもつ教員を養成するため、同学科においては1年次から4年次まで、農学部4学科共通の専門基礎を学ぶ専門科目・共通群、専門領域の学びを深める専門コア群(基礎系、社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康、基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論、総合演習、臨地実習)、さらに他の3学科(農業生産系、応用生物系、食農ビジネス系)の領域を学ぶ専門総合群を配置している。
上記(ア)に関して、まず1,2年次に自学科の専門科目を中心に学び専門性を深め、3,4年次ではさらに実践的に専門性を深める。また3年次より他の3学科の領域を学ぶ専門総合群の授業を履修することで、農学に関する幅広い学問領域について学修し、食と農の知識が豊かな教員を養っていく。
上記(イ)に関して、管理栄養士としての専門知識を前提に「栄養に係る教育に関する科目」や「教育の基礎的理解に関する科目」を通して教職に関する理解を深め、児童生徒の発育や発達、あるいは行動特性や教科の特性を理解し、行動科学に基づいた食に関する指導の全体計画や教科単元の目標に沿った食育指導案の作成方法、授業への展開方法を理論的側面と実践的側面から身に付ける。また、専門科目・共通群の必修科目「農学基礎演習」では、福井県・三重県の圃場で、実地の水稲栽培において、日本古来の伝統手法と現代的な機械手法による田植え、稲刈り実習を行い、品種、土壌、施肥、病害虫、農薬管理、気象条件などを学ぶとともに、地元農家の方との対話・交流により、教員としての生命・生物学的視点と食育の視点を、農業生産の現場での実践を通して養う。
上記(ウ)に関して「教育の基礎的理解に関する科目」「道徳、総合的な学修の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」「教育実践に関する科目」において、教育者としての資質を養うほか、教養科目の1年次必修科目「生命倫理」では、ヒトだけでなく食やヒトの生活を支えているさまざまな生命、バイオテクノロジーと環境の問題など、「総合科学」の基礎となる幅広い知識の習得に加え、倫理観をもった豊かな人間性を涵養する。また、現職の先生方や教育委員会の方をお招きしご指導いただき、人間尊重に対する意識を高め教育者としてふさわしい資質を醸成する。
現代社会学部
現代社会学部 現代社会学科 (取得可能免許種:中学校/社会 高等学校/公民)
現代社会が抱える不定形な諸問題に対し、自ら調査を行い正確な事実を把握するとともに、社会学の理論的枠組を用いて分析し、実現可能な解決策を提案する。さらに、解決策の提案にとどまらず、社会学的想像力を用いた共生的解決に主体的・実践的に取り組んでいける力を修得する。その目的を達成するために、講義、演習などの授業形態にかかわらず、「主体的・対話的で深い学び」の視点から、グループワーク、ディスカッション、リフレクションなどのアクティブ・ラーニング手法を積極的に取り入れた授業を展開する。
こうした教育方針をベースに、本学科では大学の教員養成に対する理念に基づき、主として以下の点に重点をおきながら、高度な資質をもつ教員の養成を目指す。
(ア)社会学および関連諸分野に関する幅広い知識・技術を身につけた総合力のある教員を育成する。
(イ)自我と相互行為、家族と親密性、ジェンダーとセクシャリティ、労働や消費、人間活動と自然環境、医療・福祉・教育、逸脱行動・社会病理、都市や農村など地域社会、グローバリゼーションとエスニシティ、文化・表象、メディア・情報・コミュニケーション、社会運動・国家・政治という社会学が包摂する多様な領域のうち、特定分野における高い専門知識と思考力を身につけ、社会学的想像力と実践力をもって現代社会の諸問題の解決に貢献し、豊かな創造力と強い指導力を有した教員を育成する。
(ウ)人権を尊重し、教育者としてふさわしい人間力のある人材を育成する。
大学院
学部の教員養成理念を基盤にし、さらに、各研究科の高度な専門的知識と幅広い識見を有し、地域社会や国際社会において実践的に活躍できる専門的職業人としての能力を備えた教員の養成である。
理工学研究科
理工学研究科 社会開発工学専攻 (取得可能免許種:高等学校専修/工業)
VUCAの時代において社会環境を含めた地球環境が大きく変化している中、人間の生活環境に対して的確な問題意識を持ち、社会資本である建設・建築・都市に関して社会環境への適切な対応・行動が必要である。住環境デザイン、建築、都市環境工学学科の上位に位置付けられた理工学研究科社会開発工学専攻においては、3学科を統合した長所を活かし社会資本である建設・建築・都市に関わる各学科の特徴ある高度な専門的知識と技能を修得する科目を提供し、学部で修得した知識をさらに深めるとともに、異なる分野での幅広く深い知識を修得することができる。このことより、社会資本整備に関して、多面的な観点からの見識・思考を有する実践的な技術力と高い倫理観を身につけた即戦力として活躍できる技術者の育成を目指す。
以上の教育方針を基盤として,大学院の教員養成に対する理念の基づき,本専攻科の教育の特徴を活かし、主として以下の点に重点を置きながら課題抽出・解決に際し多面的な見識、思考および高度な専門知識を有する指導力の優れた教員育成を図る。
(1)教員として専門技術者の育成に必要とされる計画・構造・設備に関する深く高度な専門的知識を有する人材を育成する。
(2)自然、社会に対する幅広い視野と教養を身につけ、地球環境を初めとする社会環境を認識し、技術が人間社会や自然に与える影響および建築・都市工学技術者の果たすべき役割について理解し、社会や時代の要請に応えられる知識と能力を有する人材を育成する。
(3)自ら情報収集し、課題を発見し、解を見つける能力を有する指導力のある人材を育成する。
上記の資質を有する教員を養成するため、本専攻科では計画、構造、環境に関わる高度な専門知識を修得する科目を配置し、時代のニーズに応える良質な建設・建築・都市等の社会資本整備に携わることができる能力を身につける。高度な専門知識の修得により、教育において基本となる「教える」ことにとって必要不可欠である深く高度な知識を有し、掘り下げる能力を有した教員を育成する。計画系、環境系、構造系に配置した演習科目においては、実務に即した課題等により実践的能力を身につける。特に、演習科目においては異なる学科教員による特定の専門研究の視点からの指導による多面的な見識・思考能力を養成する。また、基礎科目として数学・物理系の高度な知識を修得する科目を配置し、工業教育を担うことができる教員を養成する。
各科目とも専門科目であり、履修生が少人数であることの利点を活かし、教員と学生との密な指導を推し進め、課題に対するグループディカッション、プレゼンテーションを適宜取り入れ、課題を発見・解決する能力を身につけるとともに、教員としてのコミュニケーションあるいは対人能力を身につける。
理工学研究科 生産開発工学専攻 (取得可能免許種:高等学校専修/工業)
生産開発工学専攻は本学の教育理念に基づき、「機械工学や電気電子工学を基盤として、材料・物性、エネルギー、システム制御、情報・通信、生産・加工等の広範囲の領域について、高度な専門能力を持つ人材を養成することを目的とする」ことを教育上の目的としている。これと併せて将来の技術者を育てる工学教育を担当できる教員の育成をめざす。さらに、学部の教員養成理念を基盤として、高度な専門的知識と幅広い識見を有し、地域社会や国際社会において実践的に活躍できる専門的職業人としての能力を備えた教員の養成をめざす。
専門実践力・数理能力
(ア)生産工学系では、機械システムを設計するための基礎、高度な情報処理技術や加工プロセス・生産システムの専門知識を身につけるための科目を配置する。
(イ)機械工学系では、熱流体、材料強度、構造強度、材料・新素材に習熟し、各種機械装置や機械システムが製作できる専門知識を身につけるための科目を配置する。
(ウ)電気電子系では、電気、電子、情報、通信の各分野における高度な専門知識を身につけるための科目を配置する。
コミュニケーション能力
(エ)研究活動や技術の実践、プレセンテーションに必要な日本語および英語の能力(記述、対話、発表)を身につけるために「ゼミナール」および「理工学特別研究」を配置する。
課題解決能力
(オ)専門知識を用いて、与えられた課題において問題点を発見し、制約条件を考慮した解決策を見出して課題を解決する能力を身につけるために「理工学特別研究」を配置する。科学技術者倫理
(カ)研究者・技術者としての高い倫理感を身につけるために「ゼミナール」を配置し、研究者・技術者倫理に関する講習を実施する。理工学研究科 生命科学専攻 (取得可能免許種:中学校・高等学校専修/理科)
生命科学専攻の教員養成は、生命科学科の教員養成理念を基盤とし、学科の教員養成目標「生命科学分野を主軸として、次世代を担う中学・高校生へ自然科学や理科の内容を、観察や実験を通じて伝える能力を修得するとともに、科学教育の研究分野で活躍するための基礎力も身についた高度な資質をもつ教員の養成を目指す」に基づいている。
次世代を担う自走力の高い中学・高校生を育成するには、深い専門性と広い視野を併せ持つ教員の養成が必要である。生命科学専攻では、生命機構の真理の追究とともに、創薬、医療、環境衛生、食品科学などの分野をより深化させるための高度な教育・研究を展開している。より具体的には、分子レベルで生命現象をとらえ、解析や応用ができる知識・能力、細胞や生体レベルで生命現象をとらえ、解析や応用ができる知識・能力を有することが可能である。そして、課題に関する情報の収集とその分析、問題解決のための計画の立案などができる思考力や創造力を修得させる。
本専攻では、最先端の研究を推進する過程で、最新の科学技術などを積極的に採り入れた独創的な理科教育を実践できる人材の養成を目指す。また、国際化社会に順応した俯瞰的な判断力、行動力を備え、それらを指導・教授に活かすことのできる教員を育成したい。
国際言語文化研究科
国際言語文化研究科 国際言語文化専攻 (取得可能免許種:中学校・高等学校専修/英語)
現代世界は、グローバル化と情報技術革新のなかで、急速な均質化がすすむ一方、ますます複雑な対立の度合を深めている。本研究科は、世界の状況に即応すべく、国際社会のなかで真に異文化を理解し、言語と文化に関する高度な知識と豊かな教養ならびに実践的能力とを兼ね備えた、専門的職業人の養成を目指す。
この目的のもと、本研究科では、文化、言語、文学、教育、芸術、歴史、地理、思想など、人間の営みに関する多様な研究分野を設け、同時に、日本、欧米、東アジア、東南アジアといった広範な言語・文化領域をカバーしている。研究分野と言語・文化領域とが交差する複合的な研鑚を通して、グローバルな課題に直接向き合う総合的な実践力を養成する。
入学者の学部における専攻分野や国籍等の多様性を活かし、言語・文化という人文学的基盤を踏まえたしなやかな知性とチャレンジ精神を錬成し、世界の平和と共生を可能にする幅広い視野を持った教員を養成する。